いきなりですが、ここ最近思っていたことを白状します。
注意が散漫なんです。集中できないというか。
ひっきりなしに流れてくるネットからの「更新情報」、外に目をやれば、いたるところに広告が目につき、仕事をしていれば人にも呼ばれる。
以前と比べて、一つの物事に集中出来にくい環境になったことに加え、生来様々なことに興味のある性格のため、ひとつの物事に集中することが年々難しくなってきているように感じていました。
その結果、単位時間あたりのパフォーマンスが昔に比べて落ちている感覚がありました。以前はもっと短時間で理解できていた、もっと深くまで考えられていた。そんな感覚がありました。
何事にも使える時間は無限ではありません。
なので、単位時間あたりのパフォーマンスが落ちていることを感じている私はとても歯がゆい思いをしていました。
なので、もう一度昔の集中力を取り戻したい。
そんなことを考えていた時に、本屋さんで目がついたのが、今回ご紹介する
トップ1%の人だけが実践している集中力メソッド
という一冊です。
では早速ご紹介してまいりましょう。
稀代の天才たちに共通するのは、ある幼児教育だった
本書の筆者である永田豊志さんは、今回ご紹介する本以外にも、多数の著書がある方です。
そして、前著「トップ1%の人だけが実践している思考の法則」の執筆のための調査を行われている段階で、皆がよく知る成功企業の共通する原則を探求されていたそうです。
その時に発見されたのが、
世界有数の成功者は、同じような幼児教育を受けていた
ということでした。
この幼児教育というのは、モンテッソーリ教育というものです。
詳細は割愛しますが、モンテッソーリ教育においては、本書のテーマである集中力を養うことに重きを置いた幼児教育メソッドでした。
そしてモンテッソーリ教育の効果を最大化させているキーが
「自律」と「集中」
だと筆者は主張されています。
そして、この2つのキーが、人間の能力開発においても重要であると。
では、能力開発において重要であると考えられる、「自律」と「集中」は、なぜ重要なのでしょう?
自律することで、高いモチベーションを保つことができる
心理学者エドワード・デシが実験した結果、
モチベーションは、
- 自律性:自分の価値観や興味に基づいた行動
- 関係性:大切にされている、他者とつながっているという実感
- 有能感:自分ができるという自信
の3つが、モチベーションエンジンになると結論づけています。
この3つの要素のうち、その場の状況で、変動しやすい項目が、自律性ということになりますね。人の心は移ろいやすいもの。自分で決めたことをやっていることもあれば、人から言われてやらされていることもあるでしょう。人から言われてやらされることも、やらないといけない時もあると思いますが、高いモチベーションを保つためには、自分の価値観や興味に基づいた行動を取っていくことが重要なようです。
集中体験が幸福感を呼ぶ
全神経を集中した結果、火事場の馬鹿力のような信じられないようなパフォーマンスを出せている状態を、心理学用語では、「フロー体験」というそうですが、人間にとって、この集中力を極限にまで出せている状態においては、その瞬間の幸福感を増幅し、能力を発揮させていることを、心理学者チクセントミハイは発見しています。
またチクセントミハイは、フロー体験が起こる条件として、目標達成の難易度と現在の能力のバランスがとれていることが重要としています。
達成できるかどうかわからないぎりぎりの目標に対して集中して達成できた時の恍惚感を得ることがフローを起こす最良の方法であるということです。
神経を集中させ、よく観察し、正確にやることが、達成感や喜び、やりがいに結びつき、能力を開発することができることがご理解いただけたかとは思いますが、ではどうやって集中して、能力を最大限発揮できる状態に入ることができるのでしょう?
トップ1%を生み出す「集中スパイラル」
人間は、集中することにより、能力を発揮できます。
では、具体的に集中している状態に入ってしまえば、そこでどのようなことが起こるのか?集中している状態に起こりうることを筆者の見解として「集中プロセス」として紹介されています。
「集中スパイラル」は以下の4つの工程で、構成されています。
- 挑戦機会の発見:達成できそうな目標を設定する
- 自律的集中体験:自ら進んで、1つのことに集中する
- 達成による幸福感:目標を達成すると、充実感と幸福感に包まれる
- 心とスキルの成長:目標達成に必要な技術とそれを支える精神力の高まり
4つのプロセスをレベルを上げながら繰り返すことで、その人の能力は高まっていくとのこと!
実践!集中力を伸ばすテクニック!!5つのSと、4つのR
集中力を高めることで、能力を開発し、充実感を得られることは分かりましたが、じゃあ具体的に、集中するには、どうすればよいのか?
集中する技法に対しても筆者は、「集中力を高めるコツ」と「集中力を持続するコツ」の2つの面からちゃんと回答してくださっています。
集中力を高めるコツ-5つのS-
- simple:余計なものを捨て、シンプルに、一つのことに集中する
- small:小さく達成しやすいゴールを設定する
- single:一度に一つだけやる
- short:短い時間やる
- smile:常に楽しむ、ポジティブな姿勢を持って=自分ができるという有能感を持つ
集中力を持続させるためのコツ-4つのR-
- Rhythm:自分に心地よい集中できる時間
- Relax:↑と休憩(集中できる時間には限りがある)
- Reward:精神的な報酬を与える=高いモチベーションにつながる
- Repeat:習慣化する
最も大事なこと、それは、根底に流れる普遍的な人間のスキルに着目する
環境は変化し続け、変化に対応するために試行錯誤を続ける。
であれば、その根底に流れる不変的な人間のスキルに着目すべき。
集中する力というのは、不変的な人間のスキルの一つであると思います。
しかもスキルであるならば、習得することができる。
あなたも一度、集中して事に望んでみませんか?
今回はざっくり端折っていますが、本書には、世界を変えた天才たちのケーススタディや、組織全体で集中する方法についても述べられています。
もっと詳しく集中について考えてみたいとお考えならば、ぜひ本書を手に取られることをおすすめします。
といったところで。
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